たいへん遅くなりましたが、10月17日に代々木公園野外ステージで行われた、
「STAND UP SPEAK OUT」のメインイベントの報告です。
参加できなかった方のために、できるだけ時系列でくわしく報告しますので、
かなり長い記事になりますよ。
「STAND UP SPEAK OUT」とは、日本時間の17日午前6時から18日午前6時まで
の24時間に、世界中の人々が貧困問題解決のための意志表示として立ち上がり
(STAND UP)、政治のリーダーたちに貧困問題解消のための政策をとるよう
声を上げ(SPEAK OUT)、その人数でギネス記録に挑戦するという世界同時
アクション。国連ミレニアムキャンペーンとGCAP(Global Call to Action
against Poverty)が協力して行いました。日本の実行委員会は、特定非営利
活動法人ほっとけない世界のまずしさ。
さて、Toshiは2006年の「STAND UP」の際は、体調不良のため終了時間ギリギリに
会場に到着し、結局すでに撤収作業中だったという悲しい過去があるわけですが、
2007年の「STAND UP SPEAK OUT」は、開始10分前に無事会場到着。
▲参加者に配られたもの。STAND UP SPEAK OUTのステッカー、ミレニアム
開発目標(詳しくは記事中に説明あり)を説明したポストカード、サイリュームの
ブレスレット(化学反応で発光するやつね)、そしてホワイトバンド。
何が驚いたって、あのホワイトバンドが無料で配られたことです。
そう、ほっとけない世界のまずしさキャンペーンでは、315円で販売していた、
あのホワイトバンドを無料配布ですよ。
あれだけ収入の使途がわからない、収支報告がおかしいと世の中を騒がせたあげく、
ついにイベントで無料配布です。
Toshiは「ほっとけない世界のまずしさ」を否定していませんし、
むしろ、これからの活動に注目していこうという立場なのですが、
さすがに、この無料配布は、ちょっと気分が悪かったです。
その配布されたバンドをよく見ると、販売していた当時のものより微妙につくりが
粗悪なのも気になるけど・・・。
▲もうすぐ開始時刻だというのに、この人数は・・・ちょっと不安がよぎった。
しかし、開始とともに少しずつだが人が入り始めた。
▲イベントは、なんのアナウンスもなく、チアリーディングからスタート。
あまりの唐突さに会場がかたまる。そんな中、青山学院のみなさん、
よくがんばりました。
続いて、司会の武村貴世子さんにより、このイベントについての説明がありました。
概要は次のとおり。
今日は世界貧困デー。日本時間の今朝の朝6時から明日朝6時まで、世界中で
貧困問題解消のために立ち上がる、さまざまなイベントが行われている。
世界の貧困解消とミレニアム開発目標(MDGs)を達成を求めるために、地球の
ために立ち上がり(STAND UP)、政治のリーダーたちに声を上げる(SPEAK OUT)、
ギネスに挑戦するアクションとして、国連ミレニアムキャンペーンとGCAPが
企画した。
(続いてスライドを使い説明)
世界では、3秒に1人貧困のために命を落としたり・・・いろいろな問題が起こって
いる。しかし、何もしていないわけではない。2000年に世界189カ国のリーダーが
2015年までに世界の貧困をなくす、ミレニアム開発目標を約束した。
これは8つのゴールがある。
今年2007年はその中間の年だが、ほとんどすべての目標について達成が困難
というのが現状。そこで世界のリーダーを動かすのは、国際的な市民世界、
そして日本に生きる私たち、一人一人の課題となっている。
去年の「STAND UP」はギネス記録を生んだ。世界87カ国、2350万人、
日本では2,711人が参加した。
※ミレニアム開発目標のゴールは次の8つです。
1. 貧困と飢えをなくそう
2. 初等教育をうけられるようにしよう
3. ジェンダーの平等を進めよう
4. 子供の死亡率をへらそう
5. 妊娠・出産にかんする健康を改善させよう
6. 感染症などの病気が広まるのを防ごう
7. 環境の持続可能性を確保しよう
8. 世界の一員として、先進国も責任をはたそう
続いて、国際連合広報センター所長の幸田シャーミンさんからメッセージが
ありました。概要は次のとおり。
国際連合広報センターのひとりとして、多くのNGO、多くの若い皆さまと
キャンペーンに参加できて嬉しく思う。今、私たちは世界同時のキャンペーンに
参加している。去年は2350万人、今年は5000万人を超える勢いで出来たら
いいなと思う。
今日は世界の貧困を撲滅するための国際デーで、今年で20年目。にもかかわらず、
世界には今、5人に1人、約12億人の極度な貧困を強いられている人がいる。
世界の多くの指導者が、その数をなくしていこうということを誓って、それが
ミレニアムキャンペーンのスタートだが、ぜひ実現できるようにお願いすると
ともに、私たちも今日 「STAND UP」したことが何かの始まりで、私たちも
貢献することを、皆さん一人一人が見つける機会になればいいなと思う。
(ここで潘基文国連事務総長メッセージを紹介)
※会場では、メッセージの一部だけが紹介されましたが、国際連合広報センター
のプレスリリースで全文を読むことができます。
コチラからどうぞ →
http://www.unic.or.jp/new/pr07-083-J.htm
▲メッセージをくださった幸田シャーミンさん。いつのまにかエライ人になって
いたんですね。ニュースキャスター時代が懐かしい・・・。
続いて、早稲田大学万歳同盟によるパフォーマンスがありました。
▲万歳同盟には、さまざまな万歳パフォーマンスがあるらしい・・・。
最後は参加者も一緒にバンザイ!でした。
続いて、有森裕子さん、室伏広治さんからのビデオメッセージが紹介されました。
なぜ、この二人???
※それぞれのビデオメッセージをご覧いただけます。下記をクリック。
有森裕子さんのビデオメッセージ
室伏広治さんのビデオメッセージ
※国際連合広報センターのサーバーから削除されました。
続いて、STAND UP SPEAK OUT キャンペーン実行委員長(特定非営利特活動法人
アフリカ日本協議会・代表理事)林達雄さんからメッセージがありました。
概要は次のとおり。
僕は海外協力をしてきた。しかし、問題が大きすぎて援助だけでは解決できないと
感じた。世界中がもっともっと本気にならなければ、貧困はなくならないと思った。
アフリカで、エイズで死を待つ子供たちを前にして、アフリカの友人たちから、
お前は日本に帰れと言われた。日本に帰って、日本中の人たちの意識を変えてくれと。
よく考えてみると、この日本は世界の中でも影響力の大きな国。この国が変われば、
世界が変わるだろう。
今日はみなさん、この日本を変えるために立ち上がってください。
貧困のない世界をつくるために立ち上がってください。
アフリカやアジアの人たちと友達でいられるために立ち上がってください。
▲「特定非営利活動法人ほっとけない世界のまずしさ」の理事でもある林さん。
すごく疲れている感じに見えました。いろいろと問題のある団体ですからね。
心労もあるんだと思います。
ここで、他の会場の情報が入りました。19時9分、AFC アジア/アフリカ チャレンジ
カップ2007・日本代表 対 エジプト代表の試合会場、大阪長居スタジアムでも
STAND UPが行われ、約4万人が参加したとのこと。
続いて、会場に集まった若者お待ちかねのライブパフォーマンス。
(いや、Toshiも楽しみだったけどね・笑)
今回は、日本テレビ系のダンスバラエティ番組
「スーパーチャンプル」でも
おなじみ、ひとりでできるもん、EGU-SPLOSIONによるダンスパフォーマンス、
そしてインディーズではかなり人気のあるバンド、LOUNGEGATEによるライブ演奏
がありました。
▲
ひとりでできるもんによるパフォーマンス。
沖縄出身の覆面ダンサー。この後、参加者の中にも乱入。
▲パフォーマンス後にインタビューをうける
EGU-SPLOSION。
Toshiも大好きなダンスユニットです。
▲
LOUNGEGATEのライブ。MC&VOCALの二人の対照的なルックスがなんとも
いえない。いや、サウンドはとっても爽やかなんですよ。
いやぁ、このライブパフォーマンスは盛り上がりました。
というか、会場に集まった参加者の多くは、このパフォーマンスが観たかった
というのが本音のはず。
続いて、GCAP バングラデシュのラシーダ・チョドゥリさんからのメッセージが
ありました。概要は次のとおり。
今日はあるひとつのお話しをするためにやってきた。みなさんご存じのとおり、
去年の10月、私たちの国にノーベル平和賞をとった博士がいた。
ムハメド・ユヌス博士、グラミン銀行の創設者。
平和は、貧困が世界からなくならないとやってこない。もっとすばらしい変化が、
そのグラミン銀行から起こった。ある1人の貧しい女性が、たった30ドルを
グラミン銀行から借りることができて、その女性は起業家になった。
彼女が起業家になることで、彼女の住む村全体から貧しい人が一人もいなくなった。
こうやって、ほんの小さな協力から、変化を起こすことが出来る。
日本のみなさん、聞いてください。世界中のリーダーが約束した。
2015年までに貧困の中に生きる人たちが一人もいない世の中をつくることを。
世界のリーダーというのは、みなさんの住む、日本のリーダー、
バングラデシュのリーダー、アメリカのリーダー、インドのリーダー・・・
世界中のリーダーが2015年までに貧困をなくそうと約束した。
しかし、私たちのリーダーは、この約束をきちんと守っていない。
でも、もしリーダーが約束を守ることが出来ないのならば、みなさんのような
若い人たちが、きっとこの約束を守ることが出来ると私は思う。
今すばらしいダンサーやシンガーがパフォーマンスを披露してくれた。
そのパフォーマンスで私たちの気分はとても良くなった。
でも、ただ気分が良くなっただけで家に帰ってはいけない。
今、ここにいる若い人たちが、2015年までに貧困をなくすという約束を、
必ず胸に留めて、家に持ち帰ってほしい。
みなさん、今晩、世界126カ国で、数千万人の人たちが立ち上がっているところを
想像してほしい。これは実際に起こっていること。
今、バングラデシュでも約50万人の人たちが立ち上がっている。
そして、ここ日本でもこれから立ち上がる。2015年までの約束を守るために。
▲熱いメッセージをくださったラシーダ・チョドゥリさん(右)。
Toshiとしては、このラシーダさんが語ってくれたようなメッセージをたくさん
聞きたかったんですよね。
実行委員会のみなさん、当初予定されていた「著名人を招いたトークライブ」は、
なぜなくなったのでしょうか? とても残念です。
さて、いよいよ「STAND UP SPEAK OUT」のメイン、実際に参加者によるアクション
を行うことになりました。
今回は、立ち上がるだけではなく、「STAND」の文字もつくるとのこと。
▲こちらが世界にむけて発信された日本の「STAND UP SPEAK OUT」のようす。
「STAND」の文字もきれいにできました。
▲文字は、一部の参加者が傘と懐中電灯を持ってつくりました。
最後に、実行委員長の林達雄さんからの「SPEAK OUT」。
みなさん、本当に今日はどうもありがとうございました。
この寒い中集まってくれたみなさん、
そしてアーティストの方々もどうもありがとう。
昨日、徹夜で頑張ってくれたみなさんもどうもありがとう。
今日のことは絶対忘れないでください。
そして、スタッフ、参加者全員でもう一度 STAND UP!!
無事、イベントは終了しました。
会場アナウンスでは、約350人が参加とのことでしたが、
ギネス記録を目指しているわりには、きちんとカウントしていない感じ。
正確な人数は数えていないのでは?
特定非営利活動法人ほっとけない世界のまずしさのプレスリリース(10月22日付)
でも、この代々木公園の参加者は350人と発表。
「約350人」がそのまま正式人数なのか?
もし来年も行うのであれば、ぜひきちんとカウントしてほしいですね。
さて、気になる全世界の参加人数ですが、10月22日付の日本のプレスリリースでは、
3,881万1,953人、日本国内では4万8,205人が立ち上がったとのことです。
2006年の記録を1000万人以上も上回りました。
日本の参加人数について、2006年は2,711人でしたので、大幅に増えたように
思えますが、そのうち約4万人は大阪のサッカースタジアムの参加者であり、
あえて厳しく言えば、このキャンペーンのことを良く理解せずに参加した人数
だと思われます。
細かいことをつつけばいろいろありますが、まずは昨年の参加人数を上回った
ということで、それなりに評価してもいいかなと思います。
ただ、日本には、「ミレニアム開発目標」なんて知らない人がたくさんいる
わけですから、これからのアクションがますます重要ですよ。
Toshiも、イベントに参加したり、こうやってブログの記事にしたり、
何らかの協力はしていくつもりですので、「ほっとけない世界のまずしさ」の
関係者のみなさん、頑張ってくださいね!
<参考情報>
UNMC(United Nations Millennium Campaign)とGCAP(Global Call to
Action Against Poverty)による最新の発表によると、127カ国、4371万6440人
が参加したとのことです。
※2008年10月13日、記事中のリンクを修正しました。